緊急事態宣言解除を受けて、久しぶりの対面での句会となりました。とは言え、やはりこれはコロナ後の句会だからと言えましょうか、句会の半分はオンラインで済ませることになりました。一口に句会と言っても色々なやり方があるのでしょうが、投句→選句→合評という全体の流れは同じではないでしょうか。その、投句→選句の部分をオンラインで済ませておいて、会場ではいきなり合評から始まる形で実施されたのでした。これはやはり、オンラインが普通のことになったコロナ後の句会の風景と言えましょう。
この日、実際に会場で顔を合わせることが出来たのは20名でした。皆さんマスクでお顔がよく分からなかったのが残念でしたが、紗希先生もお元気でした。私の投句は他の方と同じ3句でしたが、ここに掲載できるのは下の2句だけでした。
夜も過ぐや梨むく音の幽かなる
秋―梨 この句はお一人の方から並選を頂きました。紗希先生からは、<描写する語が多い>とチェックされましたが、他の方からは<幽かという表現が好きです。><夜の静けさがよく表現された句>という感想も頂きました。
新妻の梨むく手先眺めをり
秋―梨 この句は3人の方から並選を頂きましたが、作者の予期しない事が起きました。つまり、「眺めているのは誰なのか。夫なのか他の誰かか。時間は夜か昼か」という問題が出て来たのでした。作者としては、この句は実は前作と連作句のつもりでしたので、時間は当然夜。眺めているのは当然夫の積りでしたが、一句ずつ鑑賞するならどの解釈も成り立つのでした。この句を、紗希先生は昼のイメージで詠みたいということですし、作者としては多少混乱しましたが、どの解釈も可というのが、今の俳句世界での在り様ではないかと思います。と言うより、どの文学ジャンルにおいても、一旦作者の手を離れた作品は読者の中に存在するというのが当然ですから、明らかな誤読という場合以外は、ご自由に読んでいただくことこそが大切なことなのだと思います。
次回の予定
11月16日(火)オンライン「火星句会」 兼題「落葉」
(10月は対面での句会でしたが、次回は先生のご都合でオンラインでの句会となりました。)
セコメントをする