8月6日の火星句会に行く電車の中で、急遽原爆をテーマにした句を出すことにしたのですが、その為に、用意した投句から一句を外さねばなりませんでした。せっかくですから、その句をここで紹介させて頂きます。
空蝉の転がりをるや橋の上
夏−空蝉(うつせみ) 空蝉とは蝉の抜殻のことですから、それが橋の上に転がっているというのは、普通あり得ない光景です。理屈を付ければ、子供などのいたずらで橋の上に捨てられたのだろうということになりますが、この句の狙いは、そういう理屈を考えてもらうことではありません。不可解な、不思議な出来事をそのままに受け取って、大きく言えば人生の不条理のようなものを味わって頂きたいと言うのが、この句の趣旨なのです。俳句にそういう表現が可能なのかということは、今の私にはよく分かりませんけれども。よろしければ、コメントをお待ちしています。
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